中央線ドロップス【全1巻】中央線沿いの駅を舞台にそこに暮らす人々を描く
作品名:中央線ドロップス
著作者:元町夏央
出版社:双葉社
中央線沿いの6つの駅を舞台に、それぞれが抱く感情と日常を描く連作短編集。
サブカルチャー的な「中央線文化」のにおいは抑えつつ、「そこに暮らす人々」に焦点を当てています。
セックスレスの夫婦、教師と関係してしまった女子高生、といったありがちな話から始まり、第3話の阿佐ヶ谷は熊と同棲する女性教師の物語と、かなりぶっ飛んだ設定です。
言葉を話し、ビストロでシェフとして働く熊。
かなりファンタジーな存在ですが、未だに抑えられないリアルな野生が彼の悩みな様子です。第5話・第6話の高尾山では、男子高校生である主人公の彼女が、事故により水泳という生きがいを失って新興宗教へと走ってしまいます。
「私を苦しめるもの」として、水泳と一緒に切り捨てられる主人公。心の拠り所としていた、在宅介護しているおばあちゃんも容体が思わしくなく、追い詰められていきます。青年漫画としては一風変わったテーマです。
最もリアルに感じたのは第7話の御茶ノ水。4年間付き合ってきた大学生カップルの、就活と卒業に伴う別れを描きます。卒業後は実家に帰って家業を継ぐことが決まっている男の子と、なかなか就活がうまく行かずに焦りつづける女の子。気楽な学生時代は終わりを告げ、社会人になるために中央線と恋人から離れていきます。
住みたい街No.1なんてもてはやされる吉祥寺をはじめとする中央線沿線の駅ですが、そこを歩く人々すべてに生活があるのです。
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