タイトル名：ミスミソウ（3巻）
作者名：押切蓮介
出版社：双葉社

都心から田舎町に引っ越ししてきた主人公・「春花」は転校先の学校でいじめの標的にされてしまいます。しかし、クラスで唯一の味方である男子生徒の「相場」、両親や妹の「しょーちゃん」に励まされ何とか頑張って日々を乗り越えている状況です。

いじめはどんどんエスカレートしていきます。そして、春花の家族までその標的とされ、元いじめられっ子である「流美」の発言により家ごと放火されてしまいます。家族はその犠牲となり命を落としてしまうのです。

春花はそのショックで一時的に喋れなくなります。クラスメイトはこの事件の犯人が明るみにならないよう、春花に自殺を強要します。彼女の悲しみはやがて憎しみへと変わり、クラスメイト達への復讐劇が始まります。
絶対にハッピーエンドにならず、終わりへと突き進む感じが読んでいて切なくなりますが、心を打たれます。

この作品はホラー誌に掲載されたのですが、「幽霊の類が出てこないホラー作品」として評価されました。いじめ、そしてその復讐の描写の残酷さは多くの人にトラウマを植え付けました。

元々ギャグ漫画、ホラー漫画（幽霊系）の出身である作者、押切蓮介さんの新境地であり、転換期でもあった作品と言えるでしょう。この作品を描きながら他誌でギャグ漫画も同時に連載していたというのが凄いです。

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